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だいたい、感じてなんぼ

人生、自分の感じたものがすべて。あらがわず、しなやかに。

なんでも手に入れちゃうあの子が、うらやましかったんだぜ② 〜ハリケーン編〜

恥ずかしい皮

これは私が24歳の時に出会った、ある女性の話。

彼女は本当に清楚で、いつも背筋ピーン!凛としていて、あらゆるピンクがやたらと似合う。彼女はこう言われるのがあまり好まないようだが、本当に育ちの良さが見て伺える。俗にいう、ウ◯チとかしなさそうな子だ。

 

そんな彼女には、確実に私には持っていないものがあった。今回はただの嫉妬話ではない。こんなことが本当に許されるのかと、当時の私は彼女の持っている不思議な能力に、幾度となく度肝を抜かれたんだ。

それは彼女の強靭な『笑い』の破壊力にある。

何を破壊するかって、典型的な、ザ☆日本人の感覚を、完全にぶち壊してくれたんだ。

 

たとえば、空気を読んで言葉を選んだり、選びに選んで発して失敗しておかしな空気になったりして、背中に冷たい汗がつたるのを感じた日には、家に帰った後も「今日のやっちまったリスト」を見返しては何度もそれを頭の中で反芻してしまうかもしれない。しかし彼女は、そんな冷え冷えキンキンの場に居合わせたとしても(自分でしてしまったとしても)、その豪快な笑いという爆風で、場の空気を一瞬で変えてしまうのだ。

 

彼女を見ていると、広大な海を、頭上に広がる無数の星を目にした時に『もしかしたら私が悩んでいることはめちゃくちゃちっぽけなのかも?』とふと思ってしまうのと同じくらい、知らないうちに奥底にしまい込んでいた自然の自分に引き会わせてくれてる。それはめちゃイケ濱口優が扮する『笑う男』につられて笑ってしまうというのとは、ちょっと質が異なる。まさにそれは竜巻のような、もっと人の深い部分にあるものを根こそぎふっとばす強力な力を持っている。

 

 

こやつ、デキる…。

 

竜巻みたいな、いや…台風みたいな女だと感じた私は、尊敬の意を込めて以下、ハリケーンと呼ぶ。

実際ハリケーンが、ハリケーンの笑いがどんな勢力を持っているのか、実際に体験していただきたいが、そうもいかないのでハリケーンの度肝を抜かれたんだエピソードをご覧いただこう。

 

 

 

滑ったギャグも自己回収

ハリケーンはどうしてこんなにいつも楽しそうなのだ。ハリケーンと一緒に行動して、快活な笑い声が聞けない日はない。

『はぁああ、おっかしぃー!』と、ハリケーンは笑った後によく言う。それは『はぁああ、お腹いっぱーい!』と食べることが生き甲斐な女子が自分の大好物で満腹になった時に発する満足感MAXな言葉と同じトーンで。笑いのツボが浅い私とは違い、ハリケーンはどんなことでも笑いに変えてしまう。2回に1回は「そこ、笑うとこ?」とツッコむこともあるが、彼女にとってはそれが面白いことなのだ。しかもそれは無理に笑いに変換したようなわざとらしさ1ミリも感じられない。たとえ自分で噛んでも滑っても、それをすべて例外なく自分で回収(笑う)する。しかもその回収する工程で周りの人がつい笑ってしまうのは、彼女の言ったことがおもしろいんじゃない。彼女がこれだけ楽しそうにしていることが、なんだか純粋に嬉しくて、楽しくて、そしてなんだか癒されてしまうんだ。

 

ある心理テストがある。自分を含む5人グループ全員が笑っている絵と自分だけが笑っている絵。あなたはどちらが幸せに感じますか?というもの。

日本人の場合は、ほとんどが前者と答えるという。周りが笑っていないと意味がないと感じるから。 外人は(国にもよるのかもしれないけど)、どちらも同じだと答えるという。「だってどちらの絵も、私は笑っているから」と。

ハリケーンは完全に後者の発想。見た目こそ違うものの、映画のワンシーンでよく出てくる快活に笑う恰幅の良いゴキゲンな南米黒人かってくらい、見てて気持ち良い。

彼女は相手のレスポンスなんて一切関係ない。すべて自分の世界だ。なのに、他人の世界を乱さない。むしろその周りにいる人間を、彼女のゴキゲンな世界へ巻き混んで行く。笑の渦という光にみんな惹かれていくのだ。

 

 

 

空気を読まない

ハリケーンはどうしてこんなにも空気を読まないでいられるのだ。しかもすごいのは読めないわけではない。頭の回転はめちゃくちゃ速い。天然もまた違う。ハリケーンは、あえて空気を読まないゴキゲンな女なのだ。

それは時に、他人の不幸をも、笑い飛ばす。 というのも、もちろんすべてではない。「ここは笑っちゃいけない気がする」のバロメーターが、人よりだいぶ低いのだ。

例えば、私が以前このブログの1枚目で、自身のハゲ体験についてを書いた。

tyouwa-san.hateblo.jp

今でこそ世界に公表しても痛くもかゆくもないが、これはまだ症状が不安定な頃に、きっと毛は生える!と希望の光が見え始めた時のこと。いわゆるデリケートな時期に彼女にこの話をしたんだ。それまでは人に気付かれないように生きていたのに、その光を見てやっと人に話すことができるようになった時、なにかの拍子にそれを彼女に話した。

 

すると『えっ?ハゲ・・・?あはははははははははっ!あ、ごめんごめん、ふふ。それでそれで?』と思った以上に面白そうに、笑い話の掴みだけ話した時のレスポンスが彼女から返ってきた。

 

ハゲは本当に扱いが困る。経験した私でさえ、相手のハゲの心理的ダメージは探り探りのジャブ、ジャブ、ストレート!だ。それでもハリケーンは迷いなく笑った。その時私は、とても大きな衝撃を受けたんだ。

それは「ひどい!」とか「もうこの人とは話す気なくなった」とか恨んだり傷ついたり、気分を害したりなんてしなかった。なぜならハリケーンにバカにした素振りは一切なく、彼女にとっては、ただ、それが面白かったのだとわかったから。

彼女が笑ってくれて初めて私は、『あぁ、私はこんなちっぽけなことで悩んでいたのか。』と、彼女の笑いに、広大な海を覚えた。ハゲても多毛でもいいじゃないかくらいの彼女の笑いが、私の中の奥底にある「恥」という概念を吹き飛ばした。汚れのない純粋な笑い声に、私は救われた。もしかしたら、私自身、それを望んでいたのかもしれない。早く自分の中でもネタにしたくて、誰かに話せるようになりたかったのだ。

人を傷つけかねない、というか笑っていいのかわからない躊躇するシーンでも、ハリケーンは相手の迷いをも吹き飛ばす。

 

ただし、これはきっと誰でもやっていいわけではない。これは彼女の内側にある純粋な汚れのない笑いが、人をそうさせるのだ。笑いには「薄ら笑い」も「鼻で笑う」も「あざ笑う」も「せせら笑い」も、このケースでは純粋な笑いじゃない。笑いにはいろんな気持ちを込められる、うまく笑えな日だって人にはある。ハリケーンの場合、野球で言えばどんな球が来たとしても彼女の笑うストライクゾーンに入った球はフルスイングで必ず打ち返す。中途半端な空振りはホームランを打つよりも身体に疲労や乳酸が溜まる。無理に笑いそばそうをしても、その「無理」が邪魔して上手く打ち返すことができないのだ。

 

そんなん、ショートゴロどころか、ファウルだよ!

 

 

 

 

さすが台風の目

ハリケーンはどうしてこんなにもブレないのだ。彼女の魅力は、自分を大切にする姿勢を、断固として崩さない強さでもある。ハリケーンの中には、誰にも乱すことができない絶対死守領域があるのだ。

 

人はつい自分の気持ちを圧し殺し、モヤモヤと残るこの気持ちをテイクアウトして一日を後悔したり、もつれ込んだら「なんでこんな思いしなきゃいけないんだ!」と、それは妬み、嫉み、怒りというダークな感情に変わる。スターウォーズの世界なら、きっとダースベーダーからお声が掛かるくらいに。 しかし彼女は必ずと行っていいほどその場で消化するのだ。『それってこういうこと?』と、自分が受け取ったものと、言葉の意図を確認する。そうやって彼女のモヤモヤをスッキリ解消しているのだと思う。心の深い部分には決して立ち入れさせず、自分を傷つけさせることもしないのだ。

彼女の周りを巻き込んでその場を一気に明るくするその絶対死守領域である「軸」は、まさに台風の目の如く、常に晴れ晴れとして清々しい。あの風のような爽やかな笑いが生まれる秘訣はここかもしれない。

ハリケーンは自分の意見も言葉こそ柔らかいもののストレートにハッキリと伝え、それと同時に「あなたの意見も教えて」の姿勢で守備に入る。力技は持ち合わせていない。意見があれば折衷案で落ち着きどころをうまく探してくれる。台風の目を晴れやかにするための方法を知っているからこそ、あの笑いが出せるのだ。

 

 

 

 

 

いつも空間に風を吹かせるハリケーン。

こんなに楽しそうに、こんなに幸せそうに笑ってくれるのならば、ぼくは喜んでピエロになるよ。と、きっとオトコなら言いたくなるのではないか。いや、たぶんならない。なんせ彼女は第3者のピエロに頼らなくても、自分で自分をゴキゲンにできるから。

という彼女でも、もちろん落ち込むことはある。温帯低気圧が勢力を落として北へ抜けて、ただの低気圧に戻りそうな時が。それでも彼女の姿勢は変わらない。自暴自棄なんて言葉をしらない。強さを持った女なんだ。

 

 

空間がハリケーンに吸い込まれていく瞬間を幾度となく見てきた。

そして、齢、数十年という間に着込んだ自分を守るとための鎧を剥ぎ取ってくれる。自分を守る必要なんてない、恐れることも、不安だって必要ないんだ。と。それも彼女の醸し出す空気が私に伝えてくれたのは、『もっと笑え』ではない。『自分を爆発させろ』と、言われているような気分だ。

ハリケーンが過ぎ去ったあとには、身体はなんとも軽やかで、いつもよりワントーン明るい視界が広がる。そして、その不思議な感覚に、人は彼女に『また会いたい。』と思ってしまう。

笑いが気持ちいい。風みたいに笑うあの子のことがみんな大好きだ。

 

 

『もっと自分を大切にしてあげて。そうすれば周りの人もあなたを大切に扱ってくれるようになるよ』と、ハリケーンは行動で私に教えてくれた。

もっと自分を広げていい。

もっと自分を表現していい、と。

あなたがそうやって、幾度となく私を救ってくれたから、私はいまここにいます。

出会ってくれて、ありがとうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、今回はあえて空気を読まないというハイレベルなトークスキルを要求しかねないことをネタにしました。相手を傷つけないように配慮したいところですが、これだけは言えます。

ハゲがハゲをネタにした時は、思いっきり笑いましょう。

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